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news.cenet.top「クワガタ大好き!」小2が興奮、大阪で開催中の特別展『昆虫 MANIAC』で出会った、期待を超える“マニアック”な昆虫世界


Desmond Milligan

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昆虫 MANIAC 2025.7.12(SAT)〜9.23(FRI)
大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール

“クセすご”な昆虫ばかりを集めた特別展『昆虫 MANIAC』が、9月23日(火・祝)まで大阪市立自然史博物館 ネイチャーホールにて開催中だ。「みんなが知ってる」の、ほんの少し先に進んだところから広がる世界に誘う同展。今回は記者の友人ファミリーに協力してもらい現地取材を敢行! 小学2年男児のAくんは今まさに昆虫にハマっているそうで、折り紙で作った大好きな「ギラファノコギリクワガタ」と、お気に入りの図鑑を手に会場にやってきてくれた。大好きな昆虫に出会える? 展示をキッカケにもっと気になる昆虫が出てくる? 夏休みの自由研究に使える内容はある? 気になる展示の一部内容を紹介しつつ、レポートしたい。

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昆虫は、地球上で報告されている生物種の半数以上となる約100万種を占める最大の生物群。そのほとんどは体長1cmにも満たない小さな生物だが、体のつくりや行動、能力にいたるまで、その多様性は驚くほど高く、変化に富んでいる。また、世界にはまだ見ぬ昆虫が無数に存在し、私たちの身近な環境にすら、将来の新種や新発見が眠っているという。

2024年夏に東京会場で来場者数20万人を記録した同展では、国立科学博物館の研究者による“マニアック”な視点とセレクトで昆虫標本や最新の昆虫研究を織り交ぜて展示している。子どもたちに人気のカブトムシやクワガタムシから、思わずたじろいでしまうクモやムカデなども含めた「ムシ」たちのまだ見ぬ驚きの多様性の世界に迫る。

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同展では昆虫の説明や定義を行い、そこからいくつもの昆虫やムシの標本を中心に紹介。「トンボ」「ハチ」「チョウ」「クモ」「カブトムシ」の5つの扉が用意され、それぞれの昆虫の仲間を専門とする国立科学博物館をはじめとした5人の研究者によってマニアックに深掘りされている。彼らが熱意を込めて研究するムシたちの魅力に触れ、その圧倒的な多様性を実感する入り口にもなっているのだ。全ての章を鑑賞し終わった頃には、さらにムシの魅力に取り憑かれているに違いない。なお、同展では昆虫および昆虫をはじめとする陸生の節足動物を「ムシ」として扱う。

取材に訪れたのは、夏休みに入ったばかりの週末。開館から30分ほど経って到着すると、場内はすでにたくさんの家族連れで賑わっていた。Aくんは前半の昆虫標本をさらりと見る程度で足早に次の展示へ向かっていく。小さい子どもにはじっくり説明パネルを読み込むのは難しいかな? と思っていたが、そうではなく、彼がいま一番大好きな「クワガタ」の展示を探しているようだ。会場内を逆行できるのは子ども連れにもありがたいポイント。

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Aくんが探していた展示は「カブトムシの扉」。ムシ好きの入門編ともいえるカブトムシやクワガタムシは「甲虫」と呼ばれ、世界中で35万種以上が知られているという。会場にぐるりと並んだケースには、ムシの標本がサイズごとに展示され、その名前が低い位置に掲示されているなど、小さな子どもでも読み易く工夫されている。Aくんはあたりを見渡し「いた!!!」と、すぐさま大好きな「ギラファノコギリクワガタ」の標本を探し出すことができた。

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それもそのはず。「ギラファノコギリクワガタ」は長い大あごが特徴の世界最長のクワガタムシで、大きい個体だと120mmほどになるんだとか。取材のためにと持ってきてくれた折り紙も特徴をばっちり捉えているのもさすが!

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大好きなクワガタを見つけることができたAくん。しっかり記念撮影も済ませ、あとは気になるムシを次々にチェックしていく。

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「トンボの扉」ではトンボはもちろん、バッタやセミなど、蛹を経ずに幼虫から成虫へと成長する“不完全変態昆虫”を観察。ムシ採りで憧れる「オニヤンマ」や、バイオリンの形に似た「バイオリンカマキリ」など珍しいムシが展示されるなか、気になる展示を発見。

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「素数ゼミ」はアメリカとカナダにいる、17年周期で大発生する「ジュウシチネンゼミ」と13年周期で発生する「ジュウサンネンゼミ」と呼ばれるグループのセミの総称。2つのグループが同場所・同時期で重なることは滅多にないけれど、17と13の公倍数となる“221”年に一度、同時に発生することがある。同展では2024年に起きた大発生の時期に取材班を派遣し調査。その際の録音が再生され、素数ゼミの大合唱を体験することができるのだ。セミの大合唱は総じてうるさいけれど、素数ゼミの大合唱は想像以上! なんとパチンコ店と同じくらいの音の大きさだという。Aくんも思わず「……うるさい!!」と顔をしかめるほどの大音量。ぜひ試してほしい。

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続いて向かったのは「ハチの扉」。大小様々なサイズのハチやアブ、ハエが展示されるなか、気になったのが「刺さないハチ」と「刺すハチ」の展示だ。危険なムシの代表格である「オオスズメバチ」が「刺さないハチ」として展示されていることに驚く人が続出。実は「オオスズメバチ」をはじめ、毒針で人を刺すことがあるのはメスだけで、「刺さないハチ」として展示されているのはオスのハチだったのだ。ハチの生態について知らない人も多く、「へぇ〜!」と唸る声が何度も聞こえていた。

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展示は標本だけでなく体験型展示も数多く展開。寄生するムシ・されるムシのカーテンをめくりながら標本を確かめたり、ムシに寄生された植物が異常発達してできた「虫コブ」を実際に触ってみたり。公園で昆虫採集をしていても出会う機会がないムシたちを間近に触れることができるのも同展ならでは。

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「チョウの扉」では世界中のチョウの標本を数多く展示。ちなみに、嫌われものになりがちなガもチョウと同じ仲間。チョウやガはムシのなかでも大きなグループで、世界では16万種、日本だけでも6,500種以上が確認されている。これだけ多いと、形も生態も様々。

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ここでは、落ち葉そっくりのチョウから、世界一美しいといわれるモルフォチョウといった大型のチョウなどの標本を“表”と“裏”から観察することができる。図鑑では“表”で描かれることがほとんどだが、標本とはいえ間近に表裏を観察できるのも展覧会ならでは。“表”は美しいけれど“裏は意外と地味なことも。新しい発見ができそうだ。

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ほかにも種の数が多いチョウは見た目に僅差の違いしかないものもいる。「間違い探し」のように異なる種を探す展示では、子どもと一緒にゲーム感覚でじっくりと観察もできる。種の違いを知ることがいつか新種の発見に繋がるのかもしれない。

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「クモの扉」では木の枝そっくりに擬態するクモ、水中で生活クモ、見た目が奇妙なクモ、益虫や毒グモなど様々な生態のクモを展示。ムカデやサソリ、ダニといった分類群もこちらで展示されているが、日本最大種のオオムカデには思わず悲鳴を上げてしまうパパやママが続出!

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ちなみにAくんは、持参した図鑑を手に標本を探すことにも夢中になっていた。「オニヤンマ」や「オオスズメバチ」は比較的目にするかもしれないが、大好きな「ギラファノコギリクワガタ」や「オオエンマハンミョウ」といった、日本には生息していないムシたちを実際に見られる機会はそう多くはない。大きさや色、質感を間近に感じ、Aくんにとっても新鮮だったよう。特に「オオエンマハンミョウ」はネズミやトカゲも捕食してしまうほど狂暴な世界最大のハンミョウの仲間だが、実際に標本を観てみると、思っていたよりも小さくてびっくり。

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10cmを超える子どもの手以上に大きなムシがいたり、顕微鏡で見ないとどこにいるのかわからない1mmにも満たない小さなムシがいたり。可愛い名前や奇妙な名前のムシもいて、知れば知るほど多様性に満ちたムシの“沼”にハマりそうだ。

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展示は標本だけでなく生体の展示や、大迫力のマニアックなムシの巨大模型も登場。研究者が細部までこだわって監修した約2mの模型は必見! 会場ですぐに印刷できる記念撮影もできるので、来場の記念にもぴったりだ。

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展示会の最後にはグッズ販売も要注目。本展の公式図録「昆虫 MANIAC」は展覧会の内容だけでなく、会場では紹介しきれなかったさらにマニアックな情報や、親子で楽しめる企画ページも掲載。来場の記念はもちろん、展覧会の復習にもぴったり。今回取材に協力してくれたAくんにも、さらなるムシ“沼”にハマってもらおうと公式図録をプレゼント。「好きなクワガタとか本で見たムシがいてよかった! 図鑑もうれしい!」と満足した様子。

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ほかにも、大阪会場限定のオリジナルグッズには大阪市立自然史博物館の学芸員監修のもとで制作された「コマルハナバチ」の翅の色や形を精密に再現したアクリルパズルもオススメだ。会場1階の花と緑と自然の情報センターにある「THE GOOD AND NEW」では「昆虫 MANIAC」とコラボしたメニューも登場。「昆虫型ハンバーグカレー」や「昆虫アイスパフェ」など、思わず写真を撮りたくなるビジュアルのフードがそろっているので、来場の記念にこちらもぜひともチェックを。

Aくんのお父さんが「はじめは好きなムシ以外はあまり興味がないのかな? と思っていたけれど、じっくり観察する姿に子どもの成長を感じられてうれしかった」と大満足の『昆虫 MANIAC』は、9月23日(火・祝)まで開催中。「みんなが知っている」の、ほんの少し先に進んだ帰り道は、きっと今までとは違った景色が広がっているはずだ。

取材・文・撮影=黒田奈保子

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